norimakihayateの日記

バーチャル旅日記からスタート。現在は私の国内旅行史に特化しています。

青年部企画を乗っ取ったスキーバスツアー

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 大学を卒業して入社した会社は比較的大きな会社だった。高度経済成長期を牽引した昭和の時代の典型とも言える会社だった。

 会社に入って格差社会というものがあることを人生初めて知った。よく刑事ドラマや警察関連のドラマでキャリア、ノンキャリアという言葉が使われるがまさにそれだ。会社内のノンキャリ組を現場という言い方をして区別していた。中卒と高卒のみで構成され、女子社員も高卒までと限定されていた。キャリア系は院卒を含める大卒と下は高専までと決まっていた。女子社員は殆どが短大卒で極一部四年生大卒が混じっていた。このキャリア系とノンキャリ系は身分制度のように交わることはなく、男女のつきあいもまた不文律があって、大卒の男子が高卒の女子と付き合うこと、高卒の男子が短大卒の女子と付き合うことはほぼ無かった。

 会社には青年部という労働組合の下部組織とも言える組織団体があった。これにはキャリア組、ノンキャリア組を問わず新入社員は全員参加しなければならない。しかし内容はノンキャリア組の会社帰属意識高揚の為の組織で、宗教がかってさえいた。

 この青年部で年一度新入二年目迄で企画しなければならないイベント毎があって、私と仲良くなった職場が近いもう一人の大卒の同期とで青年部のスキーツアーを企画した。

 当時スキーは毎シーズン数回は必ず行っていたが、その殆どはマイカーを連ねての自前旅行だった。それが一度だけバススキーツアーを企画したことがある。青年部の活動として行うイベントをその年はスキーツアーで行おうというものだった。それまで青年部の活動でスキーツアーなどは企画されたことは無かった。参加者を我々が居た工場付随の開発部門だけでなく、女性の数を増やす為に本社の短大卒の女の子や研究所の大卒、短大卒の女の子に広く声掛けして男女、五十名近くを集めた。場所も志賀高原という比較的お洒落な場所を選んだ。当然の事のようにそれまで青年部の活動として主に参加していたメンバーは殆ど参加しない、いわば青年部企画を乗っ取ったようなツアー企画だった。女性陣は設計開発グループ系、本社系、研究所系と主に三つのグループに別れ、お互い交わることは無かったようだが、男性陣は平等に三つのグループに付き合って時を過ごすという微妙な空気が流れるスキーツアーだった。