立待岬からの帰り道にガイドブックに載っていた啄木の碑を観に寄ることにした。近くには啄木の墓もあった。
それを見ながら、函館の松方弘樹の話を思い返していた。立待岬へ向かう途中の坂道にあった墓を指して、「どうだい。本土の墓とはちょっと違うだろ。」というのだ。本土という言葉を会話の中で人生初めて聞いたのだった。
松方氏曰く、北海道では冬場に雪が積もるので埋もれてしまわないように墓はかなり高く作るのだという。その時、私は話を聞いて(冬場ぐらい墓は埋もれていたっていいのでは・・・)と思ったのだが、そういうものでもないらしい。
啄木の碑には私の知らない一句が彫られていたが、松方氏がやはり私の知らない啄木の一句を諳んじていて、凄いなと思ったのも思いだしていた。