摩周丸が函館の埠頭へ着いたのは、当時の日記によると11時20分頃とあった。４時間ぐらい掛かったことになる。
北海道への第一歩の感激を確かめようと思っていたのに、いざ連絡橋を渡って改札へ出ると、荷物をどこへ預けようとか何処を廻ろうかなどと考えているうちに第一歩は過ぎてしまっていた。コインロッカーをみつけて手帳とカメラとガイドブックだけ出して後は預け入れてしまう。
北海道にはたった一人だけ友人が居て、来たら是非逢いに来て欲しいと言われていた。短大を卒業して既に中学校の教師をしているとの事だった。時計を見てまだ授業中の可能性があると思い、先に腹ごしらえをしようと店を捜す。
北海道ではまず最初にウニイクラ丼を食べたのだったと思っていた。しかし日記を調べると、４５０円のナポリタンを食べている。自分でも北海道まで来て何故ナポリタンなのだと自問自答している。ウニイクラ丼は食べたいと思っていたのに結構高くて諦めたのかもしれない。
その後十円玉を１５枚持って公衆電話を捜して友人に電話する。呼出しの間に結構待たされてどんどん十円玉が落ちてゆき、切った時には二枚しか戻ってこなかった。それでも長万部にある友人の実家に泊めて貰えることになった。
画像は函館港の裏手の海岸から函館山（臥牛山）を望んだもの。
