九扮や金瓜石へは台湾高速鉄道で瑞芳（ずいほう）というところまで行って、そこからバスに乗るというのが便利そうだった。
駅員に急かされてホームへ降りてみると既に電車が止まっている。自強号ではなく、各駅停車よりは少し早いという快速らしかったが、とにかく乗ってみることにする。
瑞芳方面行きの快速電車は結構混んでいた。一つだけ席が空いていたので一番年上の私が座らせて貰う。娘はデッキ近くにずっと立っていたが、妻は空いている席を捜して少し遠くのほうへ座る。
暫く走っていて、妻が私のほうへやってきた。座った席の指定席券を持った乗客が来てしまったのだという。台湾では指定席であっても、空いていれば勝手に座っていい仕組みになっているらしく、指定席券を持った客が来たら席を譲らなければならないそうだ。最後の方では私のほうにも指定席券を持った客が来てしまって、席を譲ろうとしたらいいからと言って行ってしまった。台湾では指定席というのはかなり緩い決まり事になっているらしい。
