ピラミッドのように立ちはだかる中正記念堂の階段を昇ってゆくと、上には
巨大な蒋介石の銅像があった。やはりワシントンのリンカーン記念堂を真似たのではないかと思われる。銃剣で武装した衛兵が左右に一人ずつ、微動だにせず警護をしている。こんなところにも大陸中国と台湾との緊張関係が垣間見られる。
妻と息子はエレベータで下に降り、私と娘は再び外階段を降りてからぐるっと廻って中に入る。内部には蒋介石関連の品々が展示してあるのだが、蒋介石用の公用車が一際目を惹く。黒塗りのキャデラックで、おそらくは防弾ガラスを備えたものだろう。デトロイトのフォードミュージアムでも大統領専用車の展示を観たことがあるが、こちらも真似しているのではないだろうか。