ノートルダム大聖堂のすぐ近くのレストランには威勢のいいマダムがいた。壁にいっぱい飾られている古い絵や写真の中に、モノクロの若い女性の肖像画があって、若き日のマダムのものではないかと思われた。
背の高いひょろっとしたギャルソンが英語が得意そうで、注文を丁寧に訊いてくれる。定食メニューが三種類あったので、4人でそれぞれ頼むことにする。息子がアーティチョーク入りのサラダがあるものを選んだのだが、アーティチョークは影も形もなく(多分ソースになっていた?)ちょっと残念そうにしていた。アーティチョークは我が家でも当時育てていて、お馴染みの食材だったのだ。
大人はこれから南仏入りをするということで、ギンギンに冷えたプロバンスのロゼをデキャンタで頼む。プロバンスのロゼも我が家ではお馴染みのワインだ。