ワシントンＤＣのユニオン駅で乗ったアムトラックの列車は、ハドソン川の川底をトンネルで越え（おそらくだが）マンハッタン有数の駅ペンシルベニア駅の地下ホームに到着した。ニューヨークにいよいよ足を踏み入れたという感慨に酔いしれたのは、やはりこの駅に降り立った時だった。
ニューヨークという都市は、出張という機会が無かったらおそらく一生涯訪れることのなかった場所だろう。しかしそれでも一度はニューヨークへ足を踏み入れることに対する憧れは持っていたのだ。
駅校舎を地上にあがると、まずはイエローキャブに乗る。マンハッタンの公式なタクシーである。その当時はいわゆるアメ車のフルサイズカーが専ら使われていた。それがつい最近、日本車のＮ社製ミニバンが次世代型タクシー候補に選ばれ、ニューヨーク市中で一大論争になったそうだ。それだけ、ニューヨークのイエローキャブはアメリカの象徴でもあったのだろう。
