Ｓ氏の社宅に泊めて貰った翌日は日曜日だったので、大っぴらに観光が出来る休日となる。そこでＳ氏の薦めもあってニューヨーク、マンハッタンまで繰出すことになった。ＤＣの駅まで車で行って狭い場所に縦列で路上駐車し、アムトラックという国鉄みたいな電車でニューヨークへ向かうのだ。米国では長距離の電車に乗る場合は、駅まで車で行ってそこに乗り捨てるのは通常の事だという。他に殆ど交通手段が無いからだという。
アムトラックというのは路線というのか、交通手段というのか、要するに連邦政府出資の鉄道公社で、正式には国有鉄道ではないらしい。大柄なアメリカ人が乗るせいか、座席はひとつひとつがとても大きく立派な革張りで、飛行機のファーストクラス並みだった。
車内にはビュッフェがあって、往きの車内でワインは無いかと訊いたのだが、日曜の午前中は酒類は出せないのだという。宗教上の理由だという。私は生まれながらのカトリック信者だが、日曜の午前中に酒をのんではならないというのは初耳だった。
