前夜、おそらくは３時過ぎぐらいまで呑んでいたらしい。激しい二日酔いに時差呆けが加わって、よれよれの状態で我々三人は若い駐在員のピックアップで何とか駐在事務所に到着した。若干の遅刻にはなっていた。
しかも、出張遠征隊の隊長である研究所所長の某専務の挨拶中、うしろのほうでずっと私語をしていて、挨拶が終わるや我々三人はその時の駐在事務所長であった先輩課長に呼び出され、こっぴどく叱られることになる。
オープニングセレモニーの後は駐在所主催のウェルカム・パーティがあった。パーティと言っても、宅配のピザとコーラなどのソフトドリンクが振る舞われるだけのものだ。今では極普通に日本に存在する紙の箱に入った直径４０ｃｍほどの宅配ピザを日本から行った我々は、その時初めて目にしたのだった。その頃の日本では、宅配は勿論なく、ピザと言えばジローなどの専門店で注文してでなければ食する機会のない食材だった。タバスコソースを大抵の若者がケチャップだと嘘を吐かれて信じてしまう時代だった。
