1986年の米国出張は16日間の旅行だった。そのうちの前半1週間はデトロイト郊外の学園都市アナーバーに宿泊し、講演会会場のあるデトロイトのダウンタウンまで片道約1時間掛けて車で通う毎日だった。
インターステートと呼ばれる州間国道を制限速度一杯で走るのだが、そろそろデトロイトの街に入るという辺りで巨大なモニュメントを目にする。ユニロイヤルタイヤというタイヤメーカーの巨大看板なのだが、これを見ると、ああこれから自動車の街へ入るのだという感慨を新たにするのだった。
この巨大なタイヤのモニュメントの写真を観る度に、何故か妙な既視感(デジャブ)に襲われるのだった。何だろうと考えていて、ある時、それは静岡県か山梨県の山奥にある富士急ハイランド入口付近にあるモニュメントなのだと気づいたのだった。並べてみると、只大きいというだけで、似ても似つかないのだが、ある場所に来ると必ずそれを目にするという点で、デジャブ感を催させるのかもしれない。