norimakihayateの日記

バーチャル旅日記からスタート。現在は私の国内旅行史に特化しています。

海外発表講演の準備

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 海外での発表講演となると、準備するものが色々ある。まず最初に作るのが印刷頒布される講演論文の原稿だ。何せパソコンも、ワープロでさえまだ無い時代だ。印刷は写真印刷で、講演会を主催する事務局から送られてきた厚手の原稿用紙にタイプライターで打った原稿記事を段落毎に貼り付けていくのだ。図表や写真、グラフと言ったものも、同じ様に写真で撮り、原稿の合間に貼り付けていく。タイプライターはフォントに相当する文字形も指定されていて、IBMの何とかという指定だった。

 次に用意するのが、発表時にステージ後方に映し出される画像の元。スライドとOHPのどちらかを選択する事が出来るのだが、勿論スライドの方が見栄えがいい。モノクロでもカラーでもいいという事になっていた。80年代半ばで、私の所属していた会社ではそれまでカラースライドを用いた人は驚いた事に一人も居なかった。モノクロかカラーかではインパクトが物凄く違う。かと言って、カラー写真はコストが掛かり過ぎる。それで、ドラフターと烏口で描いた絵をOHPの透明フィルムに印刷し、背景に統一された単色の色紙を敷いてフィルムを載せ、更には会社パンフレットから切り抜いたカラーの会社ロゴを隅に配置した。この参照用画像を100枚ぐらい作り、現地リハーサルで半数ぐらいに絞り込んだ。

 最後に作成したのが発表当日用のオーラル原稿。これは基本的には論文原稿からの抜粋になるのだが、時間合わせで記事の分量を調整するのがなかなか難しい。何度も何度も読みながら録音して、微調整していったのだった。