1985年のローマ・パリ旅行の最後の寄港地は香港だった。フランクフルトを夕刻立ったルフトハンザ機は、もう薄暗くなった香港・啓徳(カイタック)空港に降り立った。啓徳空港は当時世界一着陸が難しい空港と呼ばれていた。市街地のぎりぎりをアプローチしなければならないからだ。香港は百万弗の夜景として有名だが、飛行機の発着の為にネオンサインの点滅は禁止されていた。その啓徳空港も1998年に廃港になって、ネオンサイン点滅禁止も今では解除されているそうだ。香港の空港に降りるのはこの時が4度目ということになるのだが、空港を出て市内に入るのは初めての経験ということになる。
割り当てられたホテルはエクセシオールという香港島の海岸沿いに建つ高層ホテルだった。