昨年末の京都旅行では三泊して、三度夕食を外で採った。そのうちの一度は先斗町の料亭を使った。と言っても、一見さんお断りというような格式の高い店ではなく、安くはないが目の玉が飛び出るほどでもない店だった。
これは義父が開拓してきた店で、息子に御馳走するので教え、今回は息子が我々夫婦を誘ったのだった。勿論、お金はこちら持ちなのだが。予約はしてなかったので、早めの５時に出掛けたら、７時からの予約客の前ならＯＫとのことですんなり入れた。
暮れていく鴨川に面した二階の掛け軸の掛かった床の間のある座敷で、息子らと酒を酌み交わしていたら、もう一組客がやってきて、私の背中側に席を取った。割と若そうな男が金髪の女性を連れていた。いかにも外人ぽいアクセントだが流暢な日本語を操っていた。男のほうは、タイプで言えば下町ロケットに出ていたキングオブコントの今野みたいな感じ。いかにも下心ありありという感じで、金髪の女性を口説いていた。食事を終えて外に出るとすっかり暮れていた。若い男の情事は成就するのだろうかなどと想像しながらホテルに戻ったのだった。
