昨日は敦賀から出て、次の新疋田(しんひきだ)まで何とか到達した。
自分にとって最初の愛車となったホンダZは、軽自動車でありながらスポーツ車だった。これが同じホンダの軽自動車のN360ライフとかだったら、あんなに胸ときめかなかったかもしれない。
ホンダZには実に沢山のグレードというかバリエーションがあった。GS、GSS、GSL、GL、GTL、TS等々だ。Pro というのもあった。そんな中で、GTは最高級バージョンではなかったが、運動性能上はかなり上位のモデルだった。エンジンはアルミ製のオーバーヘッドカム、ツインキャブレター仕様で、360ccなのに36馬力を出していた。当時、リッター百馬力というのは、スポーツ系車種の目標馬力だった。初代スカのGTRでも2000ccで160馬力でリッター百馬力には及ばない。
冷却システムは本田宗一郎がこだわった空冷仕様で、エンジン冷却ファンも付いていなかった気がする。それなのにファンベルトみたいなのがエンジンの奥に付いていて、ファンの駆動ではないのでファンベルトとは呼べない筈だが、部品としてはファンベルトと呼んでいた。おそらくはスターターダイナモと呼ばれていた、スターターモーター兼オルタネータ(発電機)を駆動していたのだろうと思われる。スターターダイナモのホンダ特有の部品だったようだ。アイドリング時には発電量が足りないのか、インパネのCHGランプが点灯してしまう。それが気になって、交差点の信号待ちなどではCHGランプが消えるまで、薄くアクセルペダルを踏んでエンジン回転を上げていてそれが癖になってしまっていた。
GTはスポーツ仕様なのでタコメーターも付いていて、10000rpmまで刻まれていた。箱根峠を下から駆け上がるのに90km/h以上を出していた時、9000rpmを振り切っているのに気づいたのだった。