父親の職業という事を通じてしか知らなかったコンピュータの世界に実際に自分が触れることになったのは、大学の専門課程に入ってからだった。一番最初は工学部の選択課目であった算法通論という名の授業だ。名前はいかめしいが、要はコンピューターのプログラミングを実習を通じて学ぶ講座だった。将来の事を考えて受けておいたほうが良いだろうと思って採った講座だった。扱われていた言語はフォートラン。しかし、フォートランそのものはそろそろ実用ソフトウェア言語としてはお蔵入り仕掛けていたように思う。
もうすっかり忘れてしまったが、こんなのがあった。
N=N+1
ここでNという変数を1だけ増やせという命令文だが、数学的には変な数式だ。
IF A=3 THEN GOTO ~ ELSE GOTO ~
というような定番の文もあった。
授業のやり方はもうあまり憶えていないが、何か課題を出されてそれを解決するプログラムを書き、それをIBMパンチカードに打ち込んで計算機センターに持ち込み計算依頼をして結果を貰って提出するというような感じだったと思う。課題としては1から100までの素数を抽出せよみたいなものだったように思う。
専門課程の最初は大型計算機用の三大ソフトのひとつフォートランだったが、次第に大型計算機用ではないプログラミング言語に移行していく。ベーシックという言語を学習する選択課目があったり、卒論準備に移行するとアセンブラという言語を独学で学習することになる。
今日の画像は卒論準備の為の実験を行う研究室で、自分でアセンブリ言語で書いたソフトウェアを実際に走らせる制御機器の組立をしている現場だ。