norimakihayateの日記

バーチャル旅日記からスタート。現在は私の国内旅行史に特化しています。

父と大型計算機

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 私の父親が仕事場で撮った写真が一枚だけ私の手元に残っている。在日米国駐留軍司令部の中の事務所なので、かなり珍しい貴重な写真かもしれない。机の上に小型のラインプリンタのようなものがあり、分厚い白紙の束を今にも呑みこもうとしている。手元にあるのは、何らかの入力装置なのか画像からは何とも判別がつかない。

 

 あの時代、使われていたのは大型計算機と称されたコンピュータで、機種としてはおそらくはIBM SYSTEM/360か370あたりだろう。使われていたソフトウェアは事務計算用のCOBOLコボル)だと父が教えてくれた。その当時、大型計算機用ソフトウェアとして三大プログラムというのがあって、事務計算用のCOBOL、科学計算用のFORTRAN、その二つの機能を併せ持ったPL/I(ピーエルワン)というのがあるのだと教えてくれたのも父だった。朝鮮戦争後から、ベトナム戦争へ至る時期に、在日米国駐留軍で兵士の為の給与計算のプログラム作成に従事していた父が使っていた言語はCOBOLだったそうだ。私自身は生涯、COBOLにもPL/Iにも接することがなく、実際使ったことがあるのは大学で教育用に導入されていたFORTRANのみだった。

 

 FORTRANは会社に就職した後、担当していた機械部品の性能予測をするのに、これでプログラムを書いて大型計算機の夜間のバッチ処理というのに掛け、翌朝結果を貰ったと言う記憶がある。世の中にまだシミュレーションという言葉が浸透していなかった頃の話である。