昨日は網走を出て石北本線を西に進んで、呼人(よびと)という所まできた。
網走は大学時代の一人旅とは別に、仕事の出張でも訪れている。というよりも、北海道は4、5回訪れているのだが、最初の一回目以外はすべて仕事の出張だった。そしてその殆どが冬場の寒地試験だった。
90年代の始め頃、自動車関連の企業に勤めていて、ずっとエンジン関係だったのが急にシャシー関係に異動になった。シャシーというのはカーメーカー系列毎に定義がいろいろ異なるようだ。車体を含む場合、含まない場合、ブレーキ関連を含む場合、含まない場合等々だ。大抵の場合は懸架系などと言うサスペンション関連、操舵系などと言うステアリング関連は含まれている。タイヤもシャシーに含まれることが多い。エンジンの場合は寒地試験と言えば殆どがコールドルームと呼ばれる冷凍室の中で行われるのだが、シャシー系では実際に走る必要があるので北海道等へ寒地試験に出るのだ。
90年代初め頃というと、ちょうどアンチロックブレーキシステム、所謂ABSがどんどん普及していった時期にあたる。各社が競って新製品を開発して試験し、新発売していた。網走湖周辺にも様々なカーメーカー、自動車機器メーカー、タイヤメーカーなどが集まってきていて、お互いを意識しながら自社開発製品の性能を試していたようだ。
その時泊まったのは、ビューホテルという名前の網走湖を見下ろすホテルだった。寒々とした暗い中に、真っ白な湖面が広がっていたのを思い出す。