norimakihayateの日記

バーチャル旅日記からスタート。現在は私の国内旅行史に特化しています。

ロング・アンド・ワインディング・ロード

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 昨日は平泉を出て、前沢を過ぎ、陸中折居のちょっと手前まで到達した。

 

 昨日の記載で中尊寺金色堂は一度だけ訪れたと書いている。東北地方へはこれまで三度だけ訪れている。一度目は大学生の頃の周遊券を使った初めての電車での一人旅。二度目は就職して数年経った頃、同期入社の男三人での突然の浄土ヶ浜へのドライブ旅行。そして三度目はたった一人で700kmを走破してのドライブ旅行。中尊寺を訪れたのは三度目の独りでのドライブ旅行の途中だった。

 

 その際に当面の目的地は遠野だったのだが、それは後日触れることにする。その時、宿泊地に選んだのが陸前高田ユースホステルだった。おそらくは選んだというよりは、東北方面を車で旅して、宿泊出来そうな場所を探して偶々見つかったのがそこだったという程度の場所だった。今と違ってネットなど無い時代だ。東北旅行ガイドのブルーブックスという観光案内本とユースホステルの全国案内ガイドなどを頼りに最寄の場所を探してそこに電話したのだろう。

 

 その場所、陸前高田ユースホステルについては、あまりはっきりとした記憶が無い。ただ、何となく海辺の方で、運河のように続く水路とを隔てる堤防が続く先の海岸に面したところにそのユースホステルはあったという位。近くに松の並木があって、夕刻にそこを散策したような微かな記憶がある。そのユースホステルには古いグランドピアノがあって、夕食後、そのピアノでビートルズのLong & winding road を弾き語りで演奏したら宿泊客から喝采を受けたと日記に書いてあったらしい。らしいというのも変だが、その日記を頼りに自叙伝風の手記を10年以上前に記しているのだが、元になった日記というのが今になって何処にも見当たらないのだ。確かにLong & winding road は何度も練習した楽曲ではあった。しかしどういう経緯で、その日、その場で、そんな曲を演奏したのかは、まったく記憶には無いのだ。

 

 そして数十年が流れ、大震災が起きた。一年以上経過してから奇跡の一本松というのが有名になった。へえ~、これがそうかとその画像も何度も目にした。ある時、その場所を確認していて、それはすぐ傍に嘗てユースホステルがあった場所だというのを知って愕然としたのだった。奇跡の一本松は、嘗て私が泊まってLong & winding road を弾き語りしたあのユースホステルのすぐ傍に立っていたものだったのだ。

 

 The long and winding road that leads to your door will never disappear. I’ve seen that road before.