norimakihayateの日記

バーチャル旅日記からスタート。現在は私の国内旅行史に特化しています。

いざ、シンガポールへ

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 昨日は竜野から僅かに一駅分、隣の富岡までやってきた。

 

 あの時は異常な事だらけだった。地震発生からの一週間、会社のホールに設置された地震対策本部で、一日三回開催される対策連絡会議に出ていたので、いろんな事を知る事が出来た。ガイガーカウンターの実物を初めて目にしたのもその時だった。日本を出たノースウェスト便が中国の空港で引返しを命じられたというのも聞いた。線量が規制値オーバーだったというのだ。対応は各国で異なっていて、壁に各国別の対応状況が貼られていた。個人的な理由でこっそりシンガポール国の対応を確認すると、食物検査のみとあった。

 

 シンガポールへのフライトでその日使われたのはエアバス社のA380-800。シンガポール航空は個人、個人の席の電子機器が他社に先んじて充実していて、一人一人が好きな画面を選択して観ることが出来るモニタが全席に付いている。

 

 エンジン全開からタイヤが地面を離れるまでが1分とちょっと長めだったが、なんとか離陸した直後、自分のモニタをすぐにナビゲーションに切り替えた。どちらの方向に向かって上昇するのか気になったからだ。北へ向かえば福島上空に近くなり、福島から吹いてくる風を浴びるというのはあまり気持ちのよいものではなかったからだ。離陸前のタキシーイングの時から機体は南を向いていた。隣の席の娘にそう教えると、何故そんな事が判るのかと訊く。席は通路と通路に挟まれた真ん中だったが、両サイドの小窓の縁の光と影からどちらを向いているのかは判別出来たのだ。そう説明したのだが理解は出来てない様子だった。離陸してそのまま南方向へ向かって上昇していった。巡航高度に達するまでに何度かエアポケットのようなものがあったようで、下へ落ちるGを何度か感じた。娘がこのパイロットは運転が下手だねと言っていた。しかし私自身は訳があるのだろうと思っていた。

 

 飛行機は通常風上に向かって離陸する。そのほうが空気との相対速度が増し、余計に揚力を得られるからだ。しかし、この時はもしかしたらわざと風下へ向けて離陸したのではないかと思ったのだ。もちろん、福島上空へ近づくのを出来る限り避ける為だ。風下へ向けた為に揚力が十分でない瞬間が出来、エアポケットと同じ様な状況になったのではないかと密かに想像していた。

 

 画像は巡航高度に達したのちに、ナビゲーションから切り替えた機内上映映画の一場面。