norimakihayateの日記

バーチャル旅日記からスタート。現在は私の国内旅行史に特化しています。

秋芳洞から宮部みゆきへ

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 新山口から出て、嘉川を過ぎ、本由良という所までやってきた。新山口からは秋吉台秋芳洞へ出ることが出来る。この地方の定番の観光地である。北九州から適度な距離にあって、北九州に住んでいた幼少期、高校修学旅行、大学生の故郷を訪ねる旅での三度訪れている。

 

 秋芳洞美祢市というところにある。美祢というのはちょっと読み難い漢字だが、もしかして・・・ミネ?と思うと正解なのである。

 

 美祢という字を観ると、何かおどろおどろしい気持ちになる。頭の中に花嫁衣裳の白無垢みたいなのを着た女の人が、小ぬか雨が降る中を小走りにやって来るのが遠目に見えるという、そんな風景が浮かんでくる。

 はて、これは何だろうと思って本棚をあちこち当たってみると、やっと見つけた。宮部みゆき氏の傑作時代物小説の孤宿の人の中に出てくる登場人物だ。

 

 ストーリーはもう記憶には残っていないのだが、不思議な事に小説を読んで思い浮かべた景色というのは頭の中に鮮やかに残っている。それだけ描写力がある作家なのだろう。丸亀藩という瀬戸内海に面した漁村で、風が吹くと波頭が立って白く見える。それがウサギが何匹も走っているように見えるというような舞台設定で思い浮かべた瀬戸内海の海の姿も、観た訳ではないのに何時も同じ風景が思い浮かべられるのである。