norimakihayateの日記

バーチャル旅日記からスタート。現在は私の国内旅行史に特化しています。

マディソン郡の橋

f:id:norimakihayate:20140415162320j:plain

 

 昨日はとうとう小海線小淵沢まで辿り着き、中央本線に乗り換える。小淵沢の次の駅、信濃境にまで到達した。信濃境という駅名で、実はひとつ手前の小淵沢が長野県ではなく、山梨県であったことに気づかされた。小淵沢はしかも、小淵沢町ではなく、平成の大合併で吸収され北杜市(ほくとし)になったそうだ。小淵沢という名前はもはや駅名にしか残っていないようだ。

 

 中央本線という路線は微かだが乗ったことはあるような気がしていた。しかし信州方面への旅行で記憶にあるものは、車での移動のみだ。変だなと暫く考えていて、ようやく1993年の事だが、会社の先輩の親戚の葬儀に会社代表として列席する為に、飯田線駒ヶ根という場所へ行くことになり、相模線、横浜線中央本線飯田線と乗り継いで行った際に初めて乗った路線だったようだ。当時の日記によると片道6時間かかったとある。そんな遠いところへ当初は誰も行かなくていいだろうということになっていた。亡くなった方が親戚とは言っても姻族だったこともある。しかしその時の部長が新任でなったばかりで、部長になって初めての弔事対応となるのできちんとした対応をしておきたいと言いだし、一番近い部下の私が総代でゆくことになったのだった。しかしこれは自分の方からも志願したことだった。

 

 志願の本当の理由は実は個人的なもので、その頃手に入れていてなかなか読めないでいた本をこの機会に読了してしまおうという魂胆があったのだ。それがマディソン郡の橋だった。この本を知った経緯は最早定かではないが、ラジオ番組か何かで聞いて買ってみたのだろう。

 日記によれば、往きの後半にはずっとのめり込むように読み耽っていて、最後の段は飯田線で読んでいたようだ。前の席に如何にも田舎のお婆さんという風な人が座っていて、私がつい涙が目に溜まってくるのを抑えきれないでいるのに気づいて、少し変な顔をして気づかぬ振りをしてくれていたとまで書かれていた。

 

 今回、小淵沢がどんなところだろうと、幾つかwiki を引いていた際に、小淵沢が、同じように吸収合併された須玉、白州、高根などと共に、マディソン郡と姉妹提携していることを知った。全くの偶然なのだろうが、運命的なものを感じてしまった。