東京を出て八日目となる30日には、深谷から本庄を越えていよいよ埼玉県から群馬県に入る。
本庄というと、色んな思い出があるが、すぐ思いつくのは社会人になって直ぐの頃、冬場の週末に出掛けたスキーの途中、国道17号線から見たラブホテル目黒エンペラーである。であると思っていたが、今になって検索してみると、目黒エンペラーで引っ掛かるのは文字通り東京、目黒駅近くにあるらしいそのものばかりだ。あの17号線をずっと走り続け、本庄近くに差し掛かった辺りで見つけて、ああ、やっとここまで来たとモニュメントのように思っていたあの建物は実は違っていたのかと思った。
当時、目黒エンペラーと言えば、ラブホテルの代名詞だったかもしれない。それで、スキー旅行へ出掛けて、途中の関東郊外の田舎都市に目立つ派手なラブホテルを見つけて、あれはさしずめ目黒エンペラーだなと誰かが言って、ああ、そうなのかと思ったのかもしれないと思った。
しかし、しつこく検索を続けていて、過去に埼玉県本庄に棲んでいた人で、あの当時、彼女が居たら誘いたかった場所として本庄、目黒エンペラーというのを挙げているのを見つけ、やはりあそこにあったのだとの思いを再確認したのだった。