田子の浦までいよいよ到達した。写真は先の千本浜の終点である。風光明媚な穏やか
な海が一転して、大型船が行き来する港へ風景を変える。
田子の浦と言えば万葉集、新古今集の和歌である。実はうろ覚えになっていてネット
の記事で読み返してみたら、ふたつがごっちゃになって記憶されていた。
田子の浦に打ち出でてみれば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ
田子の浦ゆ打ち出でてみれば真白にぞ富士の高嶺に雪はふりける
どちらがいいかは各人の好みだそうだが、私は最初の6文字の最後につけられた、ゆ
という言葉が面白く、後者の万葉集のほうが好きだ。経由の由の字なのだそうで英語で
言えば、fromに相当する助詞だそうだが、この句以外でこの助詞が使われているのはみ
たことがない。