大磯から二宮を経由して国府津のほうに向かうには車ならば海沿いの道を通ることが
出来る。西湘バイパスである。大学生の時に免許を取って以来、好きな道で何度となく
走ってきた。通行料が安いこともあるが、海を観ながら走る何とも言えない爽快感がこ
の道にはあるのだ。
そんな風に西湘バイパスで車を走らせている時に、突然気になるものが現れる。一瞬
の事なので見逃すことも多いのだが、うまくタイミングが合うとそろそろかなと道路端
を見上げた時に視界に入ってくることもある。
洋館の範疇に入るのだと思うが、所謂洋館っぽい洋館ではない。真っ四角な白い全面
コンクリート造りの建物なのだ。海に面している側に巨大な窓が切ってあって、窓の内
側の両方に何やら植物が対称に活けてあるようだ。
ここを通る時に見つけると、いつも何だろうかと考えてしまう。大金持ちの別荘かな
とも思うが、普通の別荘では無さそうな雰囲気がある。スタジオとかアトリエとかギャ
ラリーとか、そういうカタカナ系のものに見えるのだ。あの壁一面に広がった内側から
陽春の海を眺めてみたら、どんな気持ちだろうかと考えてみずにはいられない。
最近はストリートビューなるものがあるので、暇にまかせて少しずつ進んで確かめて
みたところ、どうやら大磯光と風のギャラリーというものであるらしいことが判った。
確かめてはいないのだが・・・。何だか判らなかったほうがよかった気もしている。