時は平成、二十と六とせを過ぎたばかり。時の将軍、安倍の清明
改め晋三公に移りて、それまでの平穏、泰平とみゆるばかりがその
実、平和呆けにうつつを抜かしておった矢先、対馬および玄海の果
てより、俄かに蛮人うち攻め入るが如き暗雲立ち込める中、江戸の
渦中より、京に昇らんとする姫君があったのでござりました。その
名を紀宮すんどころと称すも、場末の町娘のりまきと身を変じ、一
路、単身武者修行へ京の都へまかりでた息子、霞丸の安否を案じて、
一路、東海道五十三次への旅へいざ向かわんとするところなのであ
りました・・・・。ベベン、ベエン・・・。